NPO法人 神奈川県障害者自立生活支援センター

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2014年3月アーカイブ

「KILC通信」発行のお知らせ

桜満開!あわただしい年度末ですが、春の訪れに心踊らせながら、3月の「KILC通信」をお届けします。

巻頭言では「私達の先達の他界、障害者権利条約の発効。それにより、平成25年度は、障害者運動にとっての一つのレジェンドになった」。
「思い出したのは、KILC立ち上げの時に横田弘さん(当法人前副理事長)から言われたあの一言だった」。
そのように鈴木事務局長は決意を新たにしています。

KILCの各事業所も頑張っています!

手狭になっていた「デイサービスセンターキルク」は2階に事務機能を移し、来季から事業を拡充します。

「あつぎみなみデイサービスキルク」は事業開始から5ヶ月目を迎え、職員は支援サービスへの自信と喜びを感じ始めています。利用者の皆さんからの提案を具体化し、季節感や物づくりを楽しむ行事も高い関心を集めています。先日はホットケーキ作りに挑戦しました。

「地域活動支援センターこぶし」では十数年前より地域のボランティアとの交流を深めており、毎月1回の交流会ではボランティアの方々とダンスを踊っています。

今号の「キルクとわたし」は、「こぶし」の赤部 勉所長にお願いしました。赤部さんがこの仕事に入るきっかけとなったのは、幼稚園の頃の同級生の存在、それは赤部さんが初めて接した障害者でした...。詳しくは「KILC通信」をぜひご覧ください。

そのほか、春にぴったりのバリアフリー情報「みなとみらい散策コース」のご紹介など、内容盛りだくさんです。

今年度も「KILC通信」をご愛読くださいまして、本当にありがとうございました。
来年度も、躍動するKILC、そして私たちの自立生活に役立つ様々な情報をお届けすべく頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

「KILC通信」は、以下のリンクからダウンロードして
パソコン・スマートフォンでもお読みいただけます。
KILC News 2014.3.pdf

(本件お問い合わせ先)
KILC事務局:機関誌担当
TEL: 046-247-7503
FAX: 046-247-7508
E-mail: info@kilc.org

3.11 当日

2011年3月11日、いわき自立生活センター、(以下、いわきCIL)その日はいつも通りの日常でした。
14:46 当時は聞きなれない音が携帯から鳴りだし事務所のスタッフと確認しあっていると、目の前のノートパソコンが大きく揺れ出し、気が付いたら、私は車いすから降りて、机の下に隠れていました。揺れがものすごく長かったと言われますが、正直、あまりあの時のことは覚えていません。長かったのか、短かったのか。覚えているのは、夕方外を見ると、急に雪が降ってきたということと、隣の生活介護事業所のメンバーの表情です。10人以上いる部屋で、誰一人声一つ出していない時間が確かに何分かあったことを覚えています。

いわきCILの事務所内にいた人が、ことの重大さに気づいたのは、事務所に戻ってきたヘルパーから、生活介護事業所のメンバーの家に行ってみたら、付近が水浸しで家の中に入れないと、報告を受けた時でした。私たちの仲間が一人、津波の被害にあってしまいました。

自分の自宅にもどれないと判断した人は、生活介護事業所に一次避難しました。唯一、電気が通っていたことは非常に助かりました。水がとまり、食料もなくなり、最終的にはいわきCIL内の自動販売機の飲み物で水分補給をする状態でしたから。でも、私が一番つらかったことは、いわきCILのスタッフとして何もできなかったことです。今思い返せば、やれることもあったように思います。しかし、動けませんでした。

ヘルパーさんたちは、ガソリンが無くなれば、自転車で利用者の自宅をまわり、次にいつ来られるか分からないからと、食料を「食べやすい状態にして帰るベットの上にいっぱい作って置いておいてくれ」と頼まれました。利用者の中には、車イスに座ったままの方や、ベットに横になったままの方もいました。なかには利用者の自宅に泊まり込みで、共に乗り越えた方もいます。

その繰り返しの日々の中で、利用者はもちろんヘルパーさんたちはどれほど葛藤したことかと思います。このメッセージを書きながら、私たちは、あの時のヘルパーさんたちの声をもっと聴かせてもらうべきなのではないかとも感じています。
私達障害当事者には、社会的な障害がそれぞれにあると思います。でも、気づかぬうちに助けられていたことも多くあると感じた日々でした。いわきCILのスタッフが、毛布、ジャンバー、食料等を持ち寄ってくれたことでも、そう感じました。

2年後の今、私は神奈川県にいます。何か福島の当事者としてできることはないだろうか。私にできることは、県外移住支援のサポートをすることと、映画「逃げ遅れる人々」の講演会でお話しさせて頂くことでした。

今日、3回目の3.11を迎えました。今まで関わって来た多くの方々の思いを伝えていくことが、私が生きていく限りしなければいけない仕事なのだと、思っています。

小野 和佳

3年目の「3.11」に思う

東日本大震災から3年が経とうとしています。この2年の間、被災者の声、資料映像、支援団体による報告を通して、全国各地で3.11の経験から得た課題などを共有してきました。

3年目を迎える今年、この3.11を風化させないための活動が必要になってくると思います。講演会などでお招きいただくと、各地で2つのテーマが必ず出てきます。「防災マニュアル作成」と「日ごろからの地域とのつながり」です。

今後はこの2つのテーマを具体化することだと思います。地域とのつながりというそれぞれの意識は重要ですが、正直、その意識を持ちつづけることは難しいことです。その為にマニュアル作成し、意識を形にして残すことは必要です。一方で、マニュアル作りから入ってしまうと、なぜこのマニュアルが必要なのか伝わらない可能性もあり、マニュアル+αの行動が難しくなる場合もあります。普段からの意識があるからこそ、マニュアル作成の必要性にみんなが気付くのだと思います。

私自身も福島から神奈川へ生活の場を移し、2年目になろうとしています。今も、3.11を契機に地元から離れ生活している方が多くいます。そういった方々が被災者という立場だけではなく、地域の仲間として受け入れられ自分らしい生活をおくれることが、「地域とのつながり」への第一歩だと感じています。障害のある私たちが、きちんと入っている地域づくりをめざしていかなければなりません。

小野 和佳(元いわきIL職員)

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